『サン・ジャックへの道』

サン・ジャックへの道

 13日、コリーヌ・セロー監督『サン・ジャックへの道』(2005年、フランス、108分、カラー)を観に寄る。公開時に見ている。
 「フランス映画特集」のパンフレットから引用。
 

 出演は、ミュリエル・ロバン、アルチュス・ド・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン。
 仲の悪い3人兄弟が亡き母の遺産を相続するため、フランスからスペインにあるカトリックの聖地へ巡礼の旅に出ることになる。美しい自然と文化遺産が溢れる巡礼路を舞台に、人間同士の触れ合いや心の動きを爽やかに描く。

 三人の兄弟が母親からの遺産相続のために、遺言書に決められた巡礼コースを歩いてフランスのル・ピュイからスペインの大西洋岸のサン・ジャックまで行くツアーに参加する。
 姉で高校の女性教師のクララ(ミュリエル・ロバン)、兄で会社経営のピエール(アルチュス・ド・パンゲルン)、弟で酒飲みで無一文のクロード(ジャン=ピエール・ダルッサン)の姉兄弟の三人が、ガイドを入れて9人のツアーで、いがみ合いながら時に取っ組み合いの喧嘩をしながら来る日も来る日も、フランスの山村の巡礼コースの道を背中に荷物を負い歩きつづける。
 フランスとスペインの国境の町に一行はたどり着いた。
 ガイドのギイが言うには、お母様の遺言書では国境の町まで三人が歩いたら遺産は与えると文書に遺言があります。この町で三人とも解散されてもよいです。
 道中、姉兄弟の三人は口汚くののしりあったり、果ては取っ組み合いの喧嘩までして険悪だったのだが、雨の日も晴れの日も田舎の山道を歩き通し、宿に泊まり一緒に食事をする巡礼の旅をつづけているうちに、ツアーの参加者9人が一体感が出て来て、たがいに相手を気遣うように変化して来ていた。
 フランスとスペインの国境の町で、ツアーを辞めても遺産はもらえるのだが、三人ともヨーロッパの西の果てまでの巡礼の道を最後まで歩き通そうと決意するのだった。

 そういえば、クロード役のジャン=ピエール・ダルッサンは、先日の、アキ・カウリスマキ監督の新作『ル・アーヴルの靴みがき』(2011年、フィンランド、フランス、ドイツ、93分、カラー)に、不法移民を捜索するモネ警視役で出演していたのを思い出した。いい俳優ですね。