27日、広島国際アニメーションフェスティバルの最終日。
閉会式とそれにつづく受賞作品の上映会を観た。
受賞作の中で水尻自子(みずしりよりこ)さんの「布団」が、とても良かった。
官能的な線の動きによるアニメーション。優美でしかも繊細に表現している。
木下蓮三賞。
閉会式の直前に、ラッキーな出来事があった。
今大会の国際審査委員長をされた小野耕世氏の緊急講演会が催されたのだ。
「アニメーションとマンガ」と題した独演会である。
手塚治虫のアニメについての話と今大会の受賞作を選ぶのに審査委員の間で交わされた大議論、ユーモアのある発言で何とか受賞作が決まった顛末が話される。
1947年の「新宝島」についてアメリカ人研究者に聞いた話として、(この作品に)手塚にディズニーの短篇アニメの影響があるという指摘。
小野さんの話によると、手塚さんは自分の家で(ディズニーの短篇アニメを)買って観ていた。(←戦前の話です)
1930年代、輸入物を買って家(うち)の中で(アニメ)映画を観ていた。
(お父さんが)金持ち、あやしげなところもある。(笑)
(家に)映写機があって、家の者と(フィルムを)撮っていた。
(戦前にこういうことは)誰でも見られたものじゃない。
当時、ホテルのレストランで食べることに(手塚さんにとって)違和感がなかった。
(そういった)文化的なものに(手塚さんは)育った。
テレビアニメの鉄腕アトムなんですが、ストーリーで見させる。
手塚の作品で歌舞伎の枠組みを使った作品の分析。
映画『虎の尾を踏む男達』を手塚が見ていた。それを(作品に)変幻自在に取り入れている。