松風や紅提灯も秋隣


 22日は、二十四節気のひとつ秋分である。
 朝晩が涼しくなり、百日紅サルスベリ)の花が咲きはじめた。紅色である。

 

ミソハギ科の落葉高木。高さ三〜七メートル。幹は薄い紅紫色で皮ははげやすく、跡が白くなり、滑らか。葉は楕円形。夏から秋にかけて、しわの多い紅・淡紫・白などの六弁花をつける。中国の原産で、観賞用に栽培される。ひゃくじつこう。  『大辞泉

 芥川龍之介の句に、「松風や紅提灯も秋隣」。
 前書きに、「鵠沼谷崎潤一郎幽棲」とあり、大正七年の句です。
 谷崎潤一郎幽棲とは、大正七年に谷崎潤一郎鵠沼の東屋に妻千代の妹せい子と棲んでいたことを指しているのでしょうか。
 秋隣とは、芥川龍之介がその東屋に滞在した時の句ではないかしら。