『映画と谷崎』(青蛙房)を読む2

 千葉伸夫著『映画と谷崎』は、「最初の映画青年」谷崎の軌跡を調べている。
 とても興味深い指摘や資料がみられる。その一部をまとめてみる。

 谷崎潤一郎の横浜でのサイレント映画製作体験の前後について。

 大正九年二月、松竹キネマ合名会社創立。
     四月、大正活動写真社創立。(横浜の山下町七十七番地。文芸顧問に谷崎潤一郎就任)。
 第一作 原作・谷崎潤一郎、脚色・監督・栗原トーマス『アマチュア倶楽部』1920年(大正九年)11月19日公開。
     撮影・稲見與美、出演・葉山三千子、上野久雄。
 第二作 原作・泉鏡花、脚色・谷崎潤一郎、監督・栗原喜三郎『葛飾砂子』1920年(大正九年)12月28日公開。
     撮影・稲見與美、出演・上山珊瑚、豊田由良子、野良久良夫(岡田時彦
 第三作 原作・脚色・谷崎潤一郎、監督・栗原喜三郎『雛祭りの夜』1921年(大正十年)3月30日公開。
     撮影・稲見與美、出演・谷崎鮎子、葉山三千子。部分的に、谷崎が監督した。
 第四作 原作・上田秋成「蛇性の婬」より、脚色・谷崎潤一郎、監督・栗原喜三郎『蛇性の婬』1921年(大正十年)9月6日公開。
     撮影・稲見與美、出演・高橋英一(岡田時彦)、紅沢葉子。

映画と谷崎

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