『美しい日本の暮らし』を読む

 20日、二十四節気のひとつ大寒で、最低気温2℃、最高気温10℃であった。
 やや寒気がゆるみ晴れた。寒さの峠をひとつ越えたような感じだ。
 街路樹にハクモクレンのつぼみが見られる。
 
 年末師走に、森まゆみ著『千駄木漱石』を読みとても面白かった。
 漱石の住んでいた土地に生まれて育ってきた者の眼からみた漱石への見立てが興味深いのだ。
 それでというわけではないが、森まゆみさんつながりで近藤富枝著『美しい日本の暮らし』を読む。
 芥川龍之介堀辰雄谷崎潤一郎など東京の文学者への見方がなるほどと思う。
 その見立てが啖呵(たんか)を切るようにスパッと述べている。
 関東大震災で関西へ移住した谷崎潤一郎を見る近藤さんの見立てに注目した。
 近藤富枝さんは谷崎が生まれた日本橋の近所に生まれた土地の者として関西移住の谷崎の心情を手に取るように見立てている。これは面白い。
 今月(1月)、同じく日本橋生まれの小林信彦の本が刊行された。
 小林信彦著『私の東京地図』である。
 『四重奏 カルテット』(幻戯書房)→『私の東京地図』(筑摩書房)と刊行が続いている。

美しい日本の暮らし

美しい日本の暮らし

私の東京地図

私の東京地図