『ユリイカ』特集「山口昌男」

 『ユリイカ』6月号・特集「山口昌男 道化・王権・敗者」で、東ゆみこ「師の説になづまざること 山口昌男における神話の意味」と吉成秀夫「山口昌男先生のギフト」をおもしろく読んだ。
 
 「書肆吉成」の屋号で古書をあつかう古本屋をやっておられる吉成氏の話が印象に残る。
 振り返ればあの日の破門は私が独り立ちするための通過儀礼の役割を果たし、一本独鈷の旅の入り口となった。「別れ」は学問を教室や書物のなかだけで完結させない山口先生が身を挺して演出した最後の過激な教え・最大のプレゼントだったのかも知れない。
 恩返しはこれからだ。

 参照:「書肆吉成」http://diary.camenosima.com/