鎌倉は屋敷のあとの野梅かな


 二月の下旬、14℃、17℃と暖かい日がつづく。三月に入ってやや気温が下がる。
 公園の梅の花が咲き出している。満開の花が増えた。
 近寄って花の香りをかぐ。ほんのりと良い香りがした。
 「鎌倉は屋敷のあとの野梅かな
 明治二十六年の正岡子規の俳句です。

 新潮社の雑誌「波」2014年3月号で、森まゆみの連載「子規の音」の「第二回 東京転々」を読む。
 2月号の第一回は「東京まで」である。
 第一回から、一部引用してみる。
 

二十五歳の誕生日には一葉を超えてしまった、と嘆き、三十五歳の誕生日には子規を超えてしまったとうつむかざるを得なかった。どれほど最後の何年かが苦しかったとしても、この人が明治の日本に生まれてよかったと思う。それぞれの人にとってそれぞれの子規がいていい。  58ページ

 以前、森まゆみ著『千駄木漱石』を読んでとても面白かった。
 今度の連載で、森まゆみさんは夏目漱石の後に、正岡子規について書きはじめた。

千駄木の漱石

千駄木の漱石