「子規の音」を読む


 クロイトトンボと蓮の葉。

 『波』6月号の森まゆみの連載「子規の音」第五回を読む。森まゆみさんがこんなことを書いている。

 《子規は三題噺や表作り、東西人気比べ、番付、草稿の分類などが大好きだった。実を言うと私も好きだ。今まで見た映画のトップ100を書き並べたり、谷中墓地のお墓をはじから調べてカードを作ったり、そういうのは楽しくてたまらない。子規と似てるかな。マニアは自分の好きなことしかしないし、果てしなくやることがあるので、暗くなる暇がない。  115ページ》

 今回は、明治二十一年と明治二十二年の正岡子規をたどっている。
 明治二十二年、水戸に遊んだ、五月に喀血があった。
 年末に、松山へ帰郷。 
 
 《二十四日に、藤野古白を伴って帰郷。年末の帰郷はこれが初めてだった。途中、大磯、浜松、名古屋、京都で下車している。京都では三十三間堂を見学。神戸から船に乗って三津浜に着いたのは暮れの二十七日。  114ページ》