高槻真樹著『戦前日本SF映画創世記』を読む3

 高槻真樹著『戦前日本SF映画創世記』の「第十章 破滅前夜の宴」に、1940年の二本のSF的作品を採り上げています。
 一本目は、マキノ正博監督の映画「清水港代参夢道中」(「続清水港」改題短縮版)(1940年、日活、89分、白黒)についてです。 *1
 登場人物が現代から江戸時代へタイムスリップするのですが、昭和15年の舞台演出家の石松(片岡千恵蔵)が、江戸時代の清水の次郎長の子分の森の石松へタイムスリップするというSF映画(?)です。
 もう一本が、榎本健一を主役にした山本嘉次郎監督の映画「孫悟空」前後篇ですね。

戦前日本SF映画創世記: ゴジラは何でできているか

戦前日本SF映画創世記: ゴジラは何でできているか

*1:本文では、 筆者は改題する前の公開時の作品名「続清水港」で記述。ナンセンスでシュールな作風で、これを観た時に、小説で言えば筒井康隆の初期の短編に味わいが似ているなぁと思ったものです。