映画『エヴァは眠りたい』

 4月に引き続き開催中のポーランド映画祭からの一本。
 タデウシュ・フミェレフスキ監督の『エヴァは眠りたい』(1957年、99分、白黒、日本語字幕、デジタル・リマスター版)を観ました。
 幻想とリアルを織り交ぜた、不条理でダークなユーモアとルネ・クレール風の叙情性をあわせもつフミェレフスキ(1954年ウッチ映画大学卒)の大ヒット作。娯楽喜劇として作られた戦後最初の作品と言われ、全住民が警官か泥坊という奇妙な町に若い娘エヴァがやってくる物語は、ポーランドの現実を暗示しているかのようだ。サン・セバスティアン映画祭グランプリ受賞。(パンフレットより)
 寓話的でコミカルな味わいのある映画。ある日、主人公の若い娘エヴァは町の測量技術学校へ入学するために別の町からやって来た。
 一晩泊めてもらうつもりだった部屋が泊めてもらえず、見知らぬ町で一晩の宿を探すことになるのだったが・・・。
 警官と泥棒が暗躍する奇妙な町の夜更けに、眠るところを探してエヴァは歩き回るが、一人の警官に出会う。
 街角の泥棒の暗躍と官僚的な組織の警察をコミカルに愉しく風刺的に描いている。
 ラブ・コメディー映画としても印象的です。

  「エヴァは眠りたい」 左がエヴァ