内藤誠著『昭和映画史ノート』の「第2章 幻の大都映画とハヤフサヒデト伝説」に、大都映画について月光仮面の作者の川内康範のほかに、加太こうじ、うしおそうじ、浜田知章(当時は大阪の玉造に住んでいた少年)らの発言も引用されている。
うしおそうじは、昭和初期の大都映画が子どもにとって、どのようなものだったかを語っている。
その発言の一部を孫引きすると、
うしおそうじ(マンガ家)・・・・・・(前略)街の子は剣戟物(チャンバラ)に魅かれ、話題は専ら阪妻、嵐寛(アラカン)、大河内で沸騰した。この憧れの「本格伝統時代劇」「大型剣戟活動写真」はすべて京都製だった。そんなご時勢に、唯一、東京製の剣戟物(チャンバラ)を供給していたのが、吾が「大都(河合)」であり、格が低かろうが二流だろうが関係なく東京の子供達は最も親近感を持つ。なぜなら、市内で剣戟ロケが見物できるからである。大都ロケのレギュラーは飛鳥山、上野山内、芝山内で京都の風光に迫った。 76ページ
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