大都映画の面白さ2

 内藤誠著『昭和映画史ノート』の「第2章 幻の大都映画とハヤフサヒデト伝説」の「大都映画を熱く回想する錚々たるファン」に月光仮面の作者の川内康範の発言も引用している。

 川内康範(作家)・・・・・・河合=大都映画は戦時合同で大映になる十七年までに、総数千三百本を超える作品を製作・配給している。これに対して、松竹は千二百本、日活は千本程度である。
 しかも、庶民にとっては、松竹、日活の文芸調映画などは、スローテンポで面白くも何ともないのである。それにくらべると、大都映画は、ハヤフサヒデトの冒険活劇はもちろんのこと、時代劇もスピーディな運びで、観客を退屈させないのである。文字通り庶民に愛される映画であった。  74〜75ページ

昭和映画史ノート―娯楽映画と戦争の影 (平凡社新書)

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