「ブローティガンと俳句の関係」を読む2

 晴れた。最高気温10℃、最低気温3℃。北風が吹く。乾燥した空気である。
 夕方、西南西の空に金星が眺められた。濃い青色を背景に美しく、見上げるほどに高く輝いている。
 そして、晴れ上がった夕空でひときわ目立つ。
 東の空には丸くなった大きな月が眺められた。


 「図書」1月号の池澤夏樹の連載「詩のなぐさめ」で「ブローティガンと俳句の関係」を読み懐かしくなり、リチャード・ブローティガンの本を本棚から探して来て読み始めた。
 『THE PILL VERSUS THE SPRINGHILL MINE DISASTER』に所収の詩に、Haiku Ambulanceというタイトルの詩がある。
 「俳句救急車」は、四行の詩で、わたしの訳ではこんな風にしてみた。


 グリーンペッパーが木製のサラダボウルから一粒落っこちた
 それがどうしたっていうのさ


 池澤夏樹さんは、ブローティガンの詩の表現に、《私的な状況がいきなり世界や宇宙につながるところが俳句に似ている。時空を超えるのは小説よりも詩の方が得意のようだ。》(61ページ)と書いている。

 彼(ブローティガン)は、しばしば日本に来て新宿あたりに出没していたらしい。

 

 日本や日本文化が好きだったらしい。
 彼の詩に俳句の原理を読み取るのは自然なことだ(あの時期のアメリカ西海岸の文学にはたしかに日本の影響があって、その典型がゲイリー・スナイダーだった。)63ページ*1

  詩集「ROMMEL DRIVES ON DEEP INTO EGYPT」

*1:Gary Snyderを、今はゲーリー・スナイダーと表記するようだ。鶴見俊輔著『北米体験再考』では、ゲリー・スナイダーと表記している。