飛ぶ教室「おもしろがる事のたいせつさ」

 NHKラジオの夜開く学校、「高橋源一郎飛ぶ教室」を聴く。今週のゲストが建築家の堀部安嗣さんで、はじめに高橋源一郎自身の今までに住んだ家についての話からはじまりました。生活の拠点にした家の数を数え(引っ越しで三十数か所)、(大阪、東京、尾道)その家にまつわる人の思い出を振り返ることから、家のあった土地その記憶が人間にとって大切なものであることを語り、瀬戸内寂聴の長編小説『場所』という本も紹介される。瀬戸内さんがかつて愛した男たちが住んでいた土地を訪ね歩く話を書いています。家や土地の記憶のない人は戻るべき場所のないさびしい人間です。大切な土地の記憶のない人間は寂しいものです。感慨深そうに自分の経験にふれてその気持ちを述べる。

 今週の「秘密の本棚」は、『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』という斉藤倫の本でした。高橋源一郎さんが朗読をする。なかなかの名調子。創作童話で詩人の詩のアンソロジーでもあり、番組での耳で聴いた長田弘の詩の一行、アイスクリームは死ね? ってどんなことなんだ。
 すごい詩ですね。すごいおじさんですね。詩や文学がおじさんの役割をしてくれている。と司会の高橋源一郎小野文恵さんの二人が語り合う。前半は、ここまで。

 間奏曲は大貫妙子の「黒のクレール」。

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 後半の「きょうのセンセイ」のゲストは建築家の堀部安嗣さん。高橋源一郎がその建築哲学を聞く。阿佐ヶ谷に建設した八坪の土地に一万冊の蔵書を収めたという社会学者・松原隆一郎さんの書庫付きの家をめぐり堀部安嗣さんにインタビューする。

 番組は6月19日まで配信があります。
https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=6324_01_855191