対談2

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 秋の風が吹いている。心地よく乾いた風だ。山野草の実が色づいて宝石のように輝いていた。つる性の植物である。

 対談 「稲垣足穂に会ったころ」矢川澄子荒俣宏

 前回の「対談」のつづきになります。

荒俣 一九〇〇年頃に生まれた人というのは、僕が知っている中じゃ、平井呈一という人が一九〇二年かそのぐらい。やっぱりハイカラなんですよ。和服しか着てないんだけれども、ハイカラ。それでいて日本の伝統文化が体にしみこんでいるんですね。日本のことは知識の対象じゃなく、日常の対象だから、わざわざ勉強するようなものではないんですね。だけれども、意識としては西洋に関心が向いている。

 あの世代の人達は、世界全体でいっても世紀末から生きはじめたグループだから、一つの共通したインターナショナルな意識や認識を持った人々ですね。未来派ってだいたいインターナショナルなところがありますからね。そういう意味では二十世紀の子供たちですね(笑) 

矢川 なんかバックボーンが凛としている、という感じを持ちますけど・・・・・・。