出版社のPR誌に「白水社の本棚」2020年秋号がある。新刊案内やコラムがあり、「愛書狂」に、『本のリストの本』をめぐるコラム記事。一部引用すると、《共著者の一人・南陀楼は書く。「インターネットのない時代には、著者や出版社、刊行年などひとつひとつのデータに重みがあったように思う」。今はたやすく情報が手に入る。しかし簡単に見つかるなら四つ葉のクローバーの値打ちはない。》
茶畑の茶の花が見ごろになっていた。白い花びらです。初冬の花ですね。葉は長楕円形です。樹下に点々と白い花びらが散っていました。
「茶の花のとぼしきままに愛でにけり」
「茶の花の垣たえだえに草の中」
松本たかしの俳句です。「茶の花の垣たえだえに草の中」という句に「浄明寺」と前書きがあります。
先日「映画/批評月間 フランス映画の現在 vol.02」オリヴィエ・ペール(「アルテ・フランス・シネマ」)によるセレクションで、ジャン=ピエール・モッキー特集を観ました。
『今晩おひま?』(1959年)、『ソロ』(1970年)、『赤いトキ』(1975年)。
『今晩おひま?』のようなラブコメディもあれば、『ソロ』のようなB級犯罪映画で自ら主人公を演じている。テロの集団に弟がいるのを阻止しようと主人公は自分も警察に容疑者とみなされて追われながら列車に乗り、警察の目から隠れて突き進むシーンは印象的です。ドキドキハラハラします。
『赤いトキ』に、ミシェル・シモンが出演しています。
《フレドリック・ブラウンの推理小説『3、2、1とノックせよ』から着想を得た本作は、ファンタスティックかつポエティックにフランス社会を描いたモッキーの代表作のひとつ、本作が遺作となった偉大な俳優ミシェル・シモンへのオマージュでもあり、サン=マルタン運河沿いで多く撮られていることもあり、とりわけ『素晴らしき放浪者』や『アタラント号』の記憶が蘇ってくる」-オリヴィエ・ペール》(特集パンフレットより)
参照:
先月「映画/批評月間 フランス映画の現在 vol.02」オリヴィエ・ペール(「アルテ・フランス・シネマ」)によるセレクションのセルジュ・ボゾン特集を観た。
『ティップ・トップ ふたりは最高』(2013年)と『マダム・ハイド』(2017年)である。
二つの作品に、イザベル・ユペールが出演している。『ティップ・トップ ふたりは最高』は、警察署の腐敗などの内部監査をするふたりの女性監察官がイザベル・ユペールとサンドリン・キーベルランだ。ふたりはフランス北部の町の警察署へ派遣された。
フランス北部でアルジェリア系の情報屋が殺された。その情報屋は、地域のドラッグの密売に関わっていたが、警察署内部を探るため、ふたりの女性監察官、エスターとサリが派遣された。ひとりは殴りこみをかけ、もうひとりは覗き見る・・・そう、ふたりは最高のコンビ! (パンフレットより)
イザベル・ユペールとサンドリン・キーベルランのふたりの女性監察官がコンビを組んで、警察内部の腐敗を探るために送り込まれてくる。アルジェリアからの移民のドラッグ密売を取り締まる警察の腐敗と暴力的な暗部を調べるためだ。ふたりの家庭生活の秘密も描かれる。ふたりの性癖にイザベル・ユペールは、私生活で夫婦の間で「叩く」、サンドリン・キーベルランは、「覗く」という人物を演じていた。荒々しい叩く突然さ、その驚き、そのコミカルな笑いで、ふたりは最高のコンビ。