2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ルパート・ジュリアン監督の映画「オペラの怪人」

毎年夏に活動弁士・佐々木亜希子さんを迎えて映像文化ライブラリーで開催されている「夏休み活弁シアター」へ出かけた。 ルパート・ジュリアン監督の映画「オペラの怪人」(1925年、アメリカ、75分、白黒、無声)を佐々木亜希子さんの活弁とピアノ、エ…

「町を歩いて本のなかへ」から2

南陀楼綾繁著『町を歩いて本のなかへ』の第3部「早稲田で読む」の「先生とわたし」後篇にこういう一節があり、ちょっと驚いた。 先日、ブログ「退屈男と本と街」で、「近代日本の民間学』を探しているという記述があった。ぼくより一〇歳以上若い退屈男くん…

「敗者の想像力」を読む

加藤典洋の『敗者の想像力』を読む。 この本を「青春と読書」6月号でのマイケル・エメリックの書評で知る。 「図書」に連載中の「大きな字で書くこと」に加藤典洋は7月号からは父親の戦前の過去をめぐり書いている。これにはちょっとおどろいた。 敗者の想…

田中克彦氏の「ノモンハン戦争」を聴く

朝のNHKの番組の「カルチャーラジオ」で田中克彦氏の講演を聴いた。 今月の9日から始まった連続講演で、今回は「ノモンハン戦争」と題して田中克彦氏がロシア側に残されている資料と日本側の作成したノモンハンの地図から分かってくる日本軍の作戦をめぐる…

対談「星条旗と青春」を読む4

小林信彦と片岡義男の対談「星条旗と青春」を読む。 小林泰彦のイラストルポ、植草甚一のニューヨーク行き、「全地球カタログ」についての三つを対談で語っている。その箇所を一部引用すると、 小林 「平凡パンチ」で、ぼくの弟が<イラストルポ>というのを…

「町を歩いて本のなかへ」から

公園の池を訪れた。昆虫が盛んに動き回る季節である。 池の周辺は旅行者も盛んに歩き回っていた。 静かな水面からスイレンの花、伸びた茎の先に大きな葉っぱのハスが眺められる。 チョウトンボがあちこちとハスの葉に止まっていた。 光沢のある黒い翅(はね…

ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下

16階建ての高層ビルの屋上が緑地化されていた。 美味しそうな桃が鈴なりだった。夏の日差しが強い。 バラ科の落葉小高木。葉は細長くて先がとがり、縁に細かいぎざぎざがある。四月ごろ葉より早く、淡紅色のほか白や濃紅色の5弁花を開く。夏に球形の肉厚多…

鼈(すっぽん)をくびきる夏のうす刃かな

梅雨の中休みで曇ったり晴れたりで蒸し暑い。最高気温33℃、最低気温26℃。 ベニシジミが花にとまり蜜を吸っているのを見つけた。 昆虫が活発に活動している季節になった。 「大樹相夏くもりなき日を迎ふ」 「鼈(すっぽん)をくびきる夏のうす刃かな」 「…

「オペラ座の怪人」

「オペラ座の怪人」の映画チラシを入手。 The Phantom of The Opera。 ルパート・ジュリアン監督の1925年の無声映画。上映時間1時間15分。作品提供、松田映画社。 出演、ロン・チェイニー、メアリー・フィルビン、ノーマン・ケリー。 19世紀末、パ…

「懐しの七月」2

稲垣足穂の「懐しの七月」の平太郎少年は寛延二年(1749年)の夏のひと月の間、屋敷に毎夜現れる化け物と対峙し、一歩も退くこともなく健気に立ち向かった。それに対して、角力(すもう)好きの三津井権八ら大人たちの狼狽ぶり、腰抜けぞろいの大人たち…

「化け物屋敷探検記」

街路樹のナツメに黄緑色の実が鈴なりだ。 クロウメモドキ科の落葉高木。葉は卵形で、三本の脈が目立ち、互生する。夏、黄緑色の小花をつけ、楕円形の実を結び、暗赤褐色に熟す。実は食用に、また漢方で乾燥させたものを大棗(だいそう)といい、強壮薬に用い…