2022-01-01から1年間の記事一覧

花曇ふくみし水のひややけく

晴れる。最高気温16℃、最低気温8℃。春風に誘われて桜狩りに。 ソメイヨシノや枝垂れ桜の花が見頃になっていた。青空を背にして桜が映えている。 「花曇ふくみし水のひややけく」 「揺れてゐる人がのぼりし櫻かな」 中村汀女の俳句で、昭和八年(1933…

徒歩旅行記

「岳人」2022年1月号の連載「北海道縦断無銭旅行サバイバル」(服部文祥)を読んだ。今回が最終回だった。無銭で狩猟と採集による徒歩旅行記である。食料は、何か所か山の中の小屋にあらかじめ補給所として置き、山野での食料の採集生活で北海道の大地…

桜の開花

21日、気象台から桜の開花宣言があった。今はまだ5分咲きといったところで、公園の桜の木を眺める花見客の姿がちらほらと眺められます。 「みすず」1・2月合併号に読書アンケート特集があり、アンケートの回答が掲載されています。 小野和子『あいたく…

『野呂邦暢 古本屋写真集』のこと

『野呂邦暢 古本屋写真集』が岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン編で文庫化された。その表紙を見ると、古本屋の前に立つ野呂邦暢さんが写っている。 この表紙の写真の古本屋が、編者の岡崎武志と小山力也の二人の対談を読むと、エイス書房であるという…

鼎談集

1978年~1980年に雑誌「話の特集」に掲載された対談を収録した本、金井美恵子・金井久美子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』を読んだ。 ゲストに、蓮實重彦、武田百合子、西江雅之、大岡昇平、山田宏一、フィリス・バンバ…

水仙の花鼻かぜの枕元

スイセンの花が咲いている。日を浴びたスイセンの花が鮮やかだ。 「水仙の花鼻かぜの枕元」 明治三十年(1897年)の夏目漱石の俳句である。 『漱石・子規往復書簡集』より俳句を引用。 漱石・子規往復書簡集 (岩波文庫) 岩波書店 Amazon

うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな

晴れ上がって暖かく、最高気温13℃。梅のつぼみがふくらみ始めている。咲いた白梅に鼻を近づけると、ほんのりとした良い香りが漂って来た。 与謝蕪村の句に、「うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな」 「波」2月号の新刊案内に、津野海太郎著『…

小冊子「新書は独学の友」

先日、書店で「新書は独学の友」という赤い表紙の小冊子を入手しました。非売品です。 巻末に95冊の既刊新書のリストがあります。 表紙に次のように書かれています。 創刊5周年フェア副読本 独学に役立つ インターナショナル新書の情報を ご紹介します。 …

水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉

朝の最低気温が氷点下を記録する。日の出が7時頃で、最高気温10℃。曇りのちに晴れた。川面(かわも)に渡り鳥の群れがとどまって餌を探していた。ヒドリガモの群れである。西風の寒風の吹くなかで、静かにゆっくりと水面を滑るように動き回っていた。ヒド…

「白水社の本棚」より

20日の二十四節気のひとつ大寒が過ぎても寒さの厳しい日がつづく。 冬空の晴れ間にハクモクレン(白木蓮)の木がネズミ色のつぼみをつけていました。ビロードのような手触りの毛に花芽はつつまれています。 触るとまだ硬いですね。 白水社のPR誌「白水社の…

マスク同志向かひ合せてまじまじ

朝、0℃近くまで冷え込んだ。雪混じりの風が吹き、最高気温は7℃。午後から青空が広がり、山茶花(サザンカ)の木が満開で見ごろを迎えていた。近くに寄り花やつぼみを観察する。葉はつやがあり、葉っぱの縁にギザギザがある。 ツバキ科の常緑小高木。九州・…

フレデリック・ワイズマン監督の映画『ボストン市庁舎』

一週間限定上映中のフレデリック・ワイズマン監督の映画『ボストン市庁舎』(2020年、アメリカ、274分、カラー)を観に出かけた。ワイズマン監督の新作はマサチューセッツ州のボストン市庁舎が今回の舞台である。映画館で入手したチラシによると、マ…