ポール・セローの鉄道旅行記の著者名

 ポール・セローの鉄道旅行記については、阿川弘之が翻訳した『鉄道大バザール』、1977年刊(講談社)がある。このときのPAUL THEROUXという名前が、阿川弘之の翻訳では、ポール・セルーという著者名だった。
 同じ作者の旅行記『古きパタゴニアの急行列車〈中米編〉』、1984年刊(講談社)もポール・セルー著となっていた。この本も訳者は阿川弘之でした。
 阿川弘之とポール・セルーの対談やエッセイを収録した共著の『ブルートレイン長崎行』、1979年刊(講談社)もセルーという名である。
  
 いつから名前の表記が変わったのか、後に中野恵津子の翻訳による『中国鉄道大旅行』、1994年刊(文藝春秋)では、ポール・セローという著者名になっていた。
 THEROUXをセローと発音するのかセルーと発音するのか。どちらなんだろう?
 なお原題が『ヘラクレスの柱』は翻訳ではタイトルが『ポール・セローの大地中海旅行』、1998年刊(NTT出版)となって、翻訳は同じく中野恵津子だ。
 この中野さんの訳を、原書(THE PILLARS OF HERCULES)と読み比べてみたことがあるが、とてもうまい訳だった。

ポール・セローの大地中海旅行 (AROUND THE WORLD LIBRARY―気球の本)

ポール・セローの大地中海旅行 (AROUND THE WORLD LIBRARY―気球の本)