枇杷の実と『怠惰への賛歌』

 街路樹の夾竹桃が赤、白と花を増やしている。路地裏の家の庭先から枇杷の樹が伸びて、枇杷の実が鈴なりだ。ある時、北海道のひとに枇杷の樹は北海道にありますかと尋ねたことがあった。枇杷の樹は見たことがないと言う。枇杷の実はこの季節になると、近所からいただいたりして風物詩のようになっていたが、所変われば品変わるで、北海道では別の風物詩があるということだ。
 バートランド・ラッセルの『怠惰への賛歌』(1932年)は、とても面白い。角川文庫で絶版。多田道太郎の『物くさ太郎の空想力』でも引用されている。