デレク・ベイリーの『インプロヴィゼーション』

 昨夜、NHK教育テレビで「兵士の物語〜田中泯 砂に踊る」を観た。藤沢周平の小説を映画化した『たそがれ清兵衛』や『隠し剣 鬼の爪』に出演していて、その演技、存在感はすごかった。
 デレク・ベイリーが亡くなったという。http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20051226k0000e060023000c.html
 田中泯デレク・ベイリーとミルフォード・グレイヴスの「インプロヴィゼーション」の公演を見に行ったことがある。工作舎から『インプロヴィゼーション』という本が出たのが八十一年十一月だった。田中泯が身体全体を黒くして裸で局部に布を包帯のように巻いて踊る。まず黒い顔と黒い裸体に度肝を抜かれた。観客である私たちは、彼らの周りを取り巻いて、てんでんばらばらに会場の床に座って見たような気がするが・・・。
 東京本として、田村隆一の『ぼくの東京』一九八八年(徳間文庫)は、最初は双葉社から『半七捕物帳を歩く』というタイトルの単行本で刊行された。発行は一九八〇年だ。この本で田村隆一の語る東京は、小林信彦の『私説東京繁昌記』とかなり近い読後感がある。その辺は後で書いてみよう。小林信彦の『私説東京繁昌記』は文芸誌『海』に連載されたのが、一九八三年六月号から八四年五月号にかけてである。『海』はこの号で休刊になった。単行本になったのが九月である。
 ちなみに書き下ろしで、この五月号には高橋源一郎の『虹の彼方に』が一挙掲載されている。
 三が日をすぎての神社へ初詣に行く。巫女さんから御神酒(おみき)をいただく。お屠蘇の味がした。参拝客が少なくて静かに境内を歩き回り、神社の由来の書かれた看板の説明を読む。ふーむ。ずいぶん古くからあるんだなあ。創建は鎌倉時代の終わり頃。