イロハカエデと『女給』のこと

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晴れる。最高気温23℃、最低気温14℃。

イロハカエデが風に吹かれてゆれている。

イロハカエデの実のプロペラ状の羽が紅色に色づいていた。

カエデ科の落葉高木。関東以西の山地に自生。葉は手のひら状に五~七つに裂け、秋に紅葉する。花は春につけ、暗紅色。名は、葉の裂け目を「いろはにほへと」と数えたことによる。庭によく植え、材は建築・器具用。たかおかえで。いろはもみじ。  『大辞泉

「波」5月号の新連載小説で、バリー・ユアグローの「オヤジギャグの華」を読む。

柴田元幸・訳。

川本三郎さんの「荷風の昭和」が、「波」に連載されています。今月号は第十二回になります。「カフェ通い」と題してカフェをめぐる話があります。明治のビアホール廃(すた)れて、大正になるとカフェがこれにかわったという。

 昭和四年に中央公論社から出版された今和次郎の『新版 大東京案内』によれば、当時、東京にはカフェは六千百八十七軒、女給は一万三千八百四十九人いたという。東京の人口が二百万人ほどの時代である。(中略)

 広津和郎が、タイガーの女給をモデルに「婦人公論」に『女給』を書くのは昭和五年から七年にかけて。モデルになった女給は菊池寛に可愛がられた女給で、広津和郎は彼女から話を聞き、この小説を書いた(ために、菊池寛とのあいだにトラブルが起きる)。(中略)

 小夜子は関口のカフェで仕事に慣れ、そのあと銀座へと出る。『女給』は大評判になり、昭和六年には帝キネによって映画化された。曾根純三監督、水原玲子主演。  116ページ

水原玲子といえば、久米正雄の小説『月よりの使者』を映画化した昭和九年(1934年)田坂具隆監督の映画『月よりの使者』に、入江たか子と共演しています。