夜が明けると、もうアサガオが咲いていた。白や絞りの色の花があるが、今朝のアサガオでは赤紫色がひときわに鮮やかだった。
二十三日は、二十四節気のひとつ処暑である。暑さがじょじょにしのぎやすくなる。または、暑さが落ち着く時期ということらしい。
そういえば、夜になると虫の音が耳を澄ませていると聞こえてくるようになった。
『蕪村句集』に、
虫売りのかごとがましき朝寝哉*1
むし啼(なく)や河内通(かはちがよ)ひの小(こ)でう(ぢゃう)ちん
明和六年(1769年)八月三日の句と安永六年(1777年)の句。
江國滋の『俳句旅行のすすめ』(朝日文庫)から〈「スイス吟行」日記〉を読む。
*1:かごとがましき。恨みがましい。