「ダージリン急行」で紅茶を

 15日から公開上映されている、ウェス・アンダーソン監督の映画『ダージリン急行』を観に出かけた。
 サロンシネマ1で、最終上映時間に間に合った。観客は15人ほど。日本一広い座席というだけあって、前に足を伸ばしても前方にあるテーブルに足が到達しない。そのうえ、ふかふかの丸い毛のクッションが、すべての座席に置かれている。うーむ。座るとふかふかで心地よい。
 父が亡くなって以来疎遠になっていた三兄弟が、インドに来るように長男の呼びかけで残りの二人がやって来て再会する。
 行方不明になっている母親がヒマラヤの山奥で尼僧になっているというので、三人で会いに、インドの鉄道「ダージリン急行」に乗って行く。その珍道中といえばいいか。
 兄弟や母親との絆(きずな)を確かめるための旅といえるかもしれない。
 昨年のコリーヌ・セロー監督の映画『サン・ジャックへの道』という映画にちょっと似ているような気がしないでもない。二番煎じ??
 列車内で飲む紅茶は、もしかしてダージリン紅茶かな。
 三人が持っていた旅行カバンのデザインが印象的だね。
 なんだか、三人とともにインドを鉄道に乗って旅行している気分になった。
 映画館から出ると、晴れ上がった夜空に月が天頂に輝いていた。
 「エンドマーク」2008年3月号を窓口でもらう。