小さなパトロン

椿

 紅色の椿(ツバキ)が開花しかけている。近くを数日前から見かけるようになった紋白蝶が飛んでいた。
 中国新聞で《「未知の世界探検したい」と題して池内紀さんが語る》という記事を読んだ。
 カントの『永遠平和のために』を翻訳された池内さんが近況を語るといった内容である。
 この本について、カントは「七十いくつであれを書いた。七十いくつだから、書けたんです。時代の変化が見えた。」
 小さなパトロンとして、「近所の小さな居酒屋でしょ。古本屋にそば屋に、毎年行く温泉宿・・・。”小さなパトロン”も結構、忙しいんですよ」
 この小さなパトロンという話は面白い。
 ほかに、「僕はテレビも無いし、パソコンも、携帯電話も使わないけど、それはラジオや万年筆や手紙のよさを知っているからで。大切にしたいよね、そういうの。コマーシャリズムに今、いちばん狙われているのが、小金を持ってる中高年だってわかってるじゃない。それに乗じられたくもないし。」
永遠平和のために