『もうろくの詩(うた)』

救助される人

 20日、快晴で爽やかな風も吹く。日が暮れるのが遅くなる。
 夕方、退勤時刻で通行人の多い橋を渡っていると、歩道が川を立ち止まって眺める歩行者で一杯だ。
 女の人が落ちたんだ、という声が聞こえてきた。
 橋の上の車道には、救助工作車が2台、パトカーも2台駐車している。
 川の中へ消防救助隊の人が入っているところだった。
 川の中に落ちた女の人を救助する隊員の様子を、固唾を呑んで見る。緊迫の一瞬があって、救い上げた。担架で土手に駐車する救急車へ収容された。やれやれ、ほっとした。

 5月21日は、二十四節気のひとつ小満である。草木が茂って天地に満ちるという意味らしい。
 柴田元幸の新刊『それは私です』(新書館)のページを捲っていると、藤原マキの本で、『私の絵日記』を買ったときの話がある。
それも北冬書房から出たときにすぐに買った本だということと、気に入って繰り返し読む本なのだと強調して書いている。『私の絵日記』を注目して読んでいたんだなぁ。
 ところで、あの頃に柴田さんは『夜行』は読んでいたのかしら。
 先日読んだ安彦良和虹色のトロツキー』の解説で山口昌男が、《私の好きなのはむしろ湊谷夢吉の「マルクウ兵器始末」のような、挫折した日本人と無理矢理挫折を強いられた上海の中国人との出遭いを描いた作品であった》のは『夜行』に掲載されていたのだった。
 ほかに、森毅『もうろくの詩(うた)』が新刊で青土社からが気になる。タイトルが「もうろくの詩」ですか。
 参照:『それは私です』http://www.shinshokan.co.jp/shoseki/index_shoseki.html?info-sorehawatashi.html
   『もうろくの詩』http://www.seidosha.co.jp/index.php?%A4%E2%A4%A6%A4%ED%A4%AF%A4%CE%BB%ED