笑福亭仁鶴「七度狐」と「三十石」

アオモンイトトンボ

 梅雨の中休み。晴れる。気温が上がって暑い。
 先日、池の蓮の葉にクロイトトンボを見つけた。今年、初めて見る。体長は三センチほどで、小さく細いトンボ。
 蕪村の句に、「みじか夜や伏見の戸ぼそ淀の窓」。*1
 CD『上方落語特選 笑福亭仁鶴 第二集 七度狐/三十石』(NHKサービスセンター)を聴きました。桂文我の「てんぐの酒もり」が喜六と清八の二人のお伊勢まいりの道中ものですが、「七度狐」も喜六と清八のお伊勢まいりで狐に二人がだまされる。
 ほうほうのていで、二人が尼寺にたどりついて泊まることになるのだが、尼僧は通夜に出かけて行き、留守の尼寺に村人がおばあさんの死体を運んで来ます。幽霊が出るときの、おはやしの笛と太鼓が怖さを盛りあげますね。ぞくぞくっとします。
 「三十石」もお伊勢参りという旅のお仕舞いの噺で、京見物でお土産を買った喜六と清八の二人が、伏見から三十石船に乗って大阪の八軒屋までの船旅ですが、臨場感たっぷりにまるで聞き手も一緒にその場にいるかのように昔の旅を楽しめます。
 「七度狐」は1984年7月4日収録。
 「三十石」は1973年7月28日収録。

上方落語特選(2)

上方落語特選(2)

*1:伏見―京都から大阪へ下る舟の発着所。