丹下左膳の笑い声

丹下左膳

 3月の「名作映画 マキノ雅弘監督特集」最初の二本。
 昨日見たマキノ雅弘監督の映画『丹下左膳』(1953年、大映、82分、白黒)は、丹下左膳が御用の提灯に囲まれて橋の上でチャンバラをしているシーンで終わった。
 今日はその続きの後編が上映された。『続丹下左膳』(1953年、大映、89分)である。
 冒頭は、前編のラストがそのままつづいているチャンバラのシーンからだった。
 大河内伝次郎丹下左膳の最後まで息をつかせぬチャンバラ映画の面白さを堪能する。
 二本の刀の争奪をめぐって人が複雑に絡まり、町奉行大岡越前守による捜査追跡から、左膳は藩主からの裏切りに遭い、御用提灯の群れが藩邸を取り囲む中を狂ったように藩主一味を江戸の藩邸に襲う。
 丹下左膳の虚無的な高らかな笑い声が、スクリーンに響き渡り印象深い。
 丹下左膳大岡越前大河内伝次郎一人二役で、丹下左膳を慕う櫛巻お藤を水戸光子が演じている。
 左膳が藩主から探して来るように頼まれた妖刀を持っていた剣道の道場の娘弥生(沢村晶子)や水茶屋の女お艶(山本富士子)が丹下左膳の探し求める刀の行方にからまる。