「鉄砲勇助」の法螺

糸トンボ

 糸トンボを公園の池の植え込みで見かける。3センチほどの大きさである。
 老舗古書店支店の百円棚から、小林信彦『小説世界のロビンソン』(1992年、新潮文庫)、高橋源一郎『ジェイムス・ジョイスを読んだ猫』(1990年、第一刷、講談社文庫)を買う。
 CD『上方落語特選 笑福亭仁鶴 第六集』から、笑福亭仁鶴の落語「借家怪談」と「鉄砲勇助」を聴いた。「鉄砲勇助」は千三つ屋(せんみっつや)と呼ばれる男の語る法螺(ほら)話。
 千ものを言うと、三つが本当であとは嘘を言うといわれている男の話である。
 北海道へ行って来てそこで体験したという話が展開される。嘘も方便ということがある。洒落や言葉遊びもあり面白い。
 この男の話を聴いている者が、ほんまかあと言いながら聴いている様子が愉しい。
 たまにはまともな話をせいやと言いつつ、千三つ屋(せんみっつや)と呼ばれる男の弁舌を、けったいやなぁ、いいかげんにせいや、いっぺんどついたろうか、気楽なやっちゃなぁ、と言いながら耳を傾ける。
 火事を凍らせて鋸で切って町まで持ってきて・・・。