今朝の朝日新聞で、佐野洋子さんが亡くなられたと知る。
『本の雑誌』にエッセイを連載していたのを愛読していた。後に、『佐野洋子の単行本』というタイトルの本に収録される。この本の奥付を見ると一九八五年七月二十日初版発行。
装丁・平賀甲賀。合掌。
秋晴れでイチョウの黄葉が目に眩しい。銀杏の実が鈴なりです。
今年は「国民読書年」ということで、これにちなんで小説を映画化した作品が今月(11月)から二か月にわたって映像文化ライブラリーで上映される。
「特集・日本文学と映画」
5日、中平康監督の映画『狂った果実』(1956年、日活、85分、白黒)を観に寄った。
原作が石原慎太郎。石原裕次郎の主演第一作で、鎌倉、湘南を舞台に、一人の女性(北原三枝)をめぐって兄(石原裕次郎)と弟(津川雅彦)の若い兄弟が激しくぶつかりあう。水上スキー、オープンカーでのドライブ、ダンスに打ち興じる。脇役の岡田真澄も初々しい。
映画の冒頭、エンジン付のボートを走らせる若い男の顔が観客に迫って来るアップで映される。
ラストは、弟がエンジン付ボートで、石原裕次郎と北原三枝の乗ったヨットを捜し求めて海を走らせる。そのシーンを空からの空撮によって俯瞰する。旋回するボートの航跡がヨットへ徐々に近づいて行く。その緊迫感にはらはらどきどきするのだった。