おっとり蛙

 
 雨のち曇り。夕方、公園の池に睡蓮が見事に咲いていた。
 蛙も姿を見せていた。
 睡蓮の葉の上に鎮座しているもの、頭の部分を水面から出して浮かんでじっとしているものなど散見される。睡蓮の葉に座っている様(さま)が、おっとりしている。
 その姿から殿様蛙(トノサマガエル)と名づけられたのでしょうね。

 

アカガエル科のカエル。体長五〜九センチ。背面は緑色ないし褐色で黒色斑紋があり、背の中央を黄色の線が走る。腹面は白または淡黄色。五〜八月に水田や池に寒天質の大きな卵塊を産む。  『大辞泉

 明治二十八年に蛙を詠んだ正岡子規の句に、次の句があります。

 夜越して麓に近き蛙かな
 くゝと鳴く昼の蛙のうとましや
    金州にて 
 蛙はや日本の歌を詠みにけり