壬生(みぶ)の花田植

 ユネスコが「壬生(みぶ)の花田植(はなだうえ)」と松江市の「佐陀神能(さだしんのう)」を無形文化遺産に登録することを決めた、とニュースで知る。
 
 今年、昨年が生誕百年だった黒澤明の「生誕100年 黒澤明監督特集」があった。
 そのうちの一本、『七人の侍』のラストに、戦いが終り村人が田植えをするシーンがある。
 映画がすんで、館内が明るくなると、その田植えを見て、「壬生の花田植だ。」と、観客の声が聞こえて来たことがあった。壬生の花田植を見た観客が多いのだなぁ。
 『七人の侍』の田植えのシーンは、この花田植を「引用」しているような気がしたものだ。
 黒澤の映画は、時代考証がしっかりしている。
 壬生(みぶ)の花田植といえば、岡本太郎が写真集で壬生(みぶ)の花田植を撮っている。
 この撮影をサジェスチョンしたのが、宮本常一であったという。
 花田植を、わたしが初めて見たのは、大朝の新庄の花田植だった。
 後に、千代田の壬生の花田植を見る機会があった。
 中世の遺風が色濃く残っている花田植である。