夏休み活弁シアター2019
昭和のはじめ頃の映画には音がありませんでした。
日本では、話芸の伝統を受け継ぎ、巧みな語り口で映画を説明する「活弁」が発達し、活動弁士は映画館のスターとして人気を集めました。
弁士の語りによって、映画は新たな輝きを放ちます。
この機会に、ぜひ「活弁」をご堪能ください。
数多く映画化された名作『伊豆の踊子』の記念すべき第1作をライブ・エンターテイメント「活弁」でご体験ください。(パンフレットより)
上映前に、活動弁士の佐々木亜希子さんの「夏休み活弁ワークショップ」に参加した子どもたちの成果発表の上映会があった。
子どもたちの活弁で上映されたのは、
村田安司の漫画映画「海の水はなぜからい」(1935年)
鈴木宏昌の漫画映画「日の丸太郎 武者修行」(1936年)
アメリカのマック・セネット・プロダクションのLizzies of the Field(1924年)。
後半、5分間の休憩あり。映像文化ライブラリーの学芸員の解説の後、佐々木亜希子さんの活弁で上映。館内は満席で立ち見がでる。
五所平之助監督の映画「伊豆の踊子」(1933年、松竹キネマ、93分、白黒、無声、16ミリ)を観る。
出演は、田中絹代、大日方伝、小林十九二、河村黎吉。
川端康成の同名小説の初の映画化。小津安二郎監督とともに、松竹蒲田撮影所のホープとして活躍し、叙情的な作風を得意とした五所平之助監督の代表作。旅の踊子と学生の淡い恋を詩情豊かに描く。
下田港での別れのシーンまで活弁の声音(こわね)に引き込まれる。