襟巻の端を跳ねたる女優かな


 7日は二十四節気のひとつ大雪であった。
 七二候では、このころネコヤナギが出るとある。
 ネコヤナギの密生した毛のある穂に似た毛のあるコブシを見た。  

モクレン科の落葉高木。山野にみられ、葉は幅広の倒卵形、春、葉より先に、大形の香りのある白色の六花弁をつける。秋に実が熟すと裂けて赤色の種子が垂れ下がる。名は、つぼみが子供の握りこぶしに似ているのに由来。やまあららぎ。こぶしはじかみ。しんい。  『大辞泉』 

 『大辞泉』の引用句は夏目漱石で、「四つ目垣茶室も見えて辛夷」。
 これは春の句のようです。
 冬の句で、畑耕一の句につぎの句があります。
 「泳ぐよな手してかぶりぬスエータア
 「近づけば果して彼や冬帽子
 「襟巻の端を跳ねたる女優かな
 三句目の句は、松竹蒲田撮影所の女優でしょうか。