『フンコロガシ先生の京都昆虫記』

 『フンコロガシ先生の京都昆虫記』を読む。フンコロガシ先生というのは筆者の塚本珪一さんである。
 京都の虫=昆虫に魅せられて歩いている塚本さんが思いがけず出合った今の「京都の自然」の観察記である。


 目次
 はじめに
 第1章 小宇宙・京都の自然
 第2章 京洛・昆虫散歩道
 第3章 京洛・昆虫博物誌
 第4章 「京都自然学」を考える
 第5章 歩き・登り・虫と出会う
 あとがき
 注・参考文献


 第4章の「7 杉本秀太郎さんの博物学」に、この本の表紙の写真は、祇園祭の「蟷螂山」、祇園囃子とともに年に一回現れるカマキリの写真が使われているのだが、筆者がこのオオカマキリの動きを昔みたことがあり、もう一度見に出かけたエピソードから、話が次のように展開する。
 《このあたりの文化財家屋に住む杉本秀太郎さんは中学の同級で、共に昆虫少年をやっていた。杉本秀太郎さんの住む谷田町には祇園会・伯牙山がある。このあたりのことについては、杉本さんの著作『洛中通信』、『京都夢幻記』に詳しい。*1
 本業はフランス文学であるが、立派な博物学者である。彼のエッセイには「博物学者」の称号を与えたい。》

フンコロガシ先生の京都昆虫記

フンコロガシ先生の京都昆虫記

 

*1:引用者・注、本文に谷田町とあるが、矢田町の誤記か?