対談「アメリカから遠く離れて」2

 『瀬川昌久自選著作集1954〜2014』の対談「アメリカから遠く離れて」は、瀬川昌久×蓮實重彦の両氏の対談である。(司会=大谷能生)。
 「ジャズと映画をめぐって」という副題が付いている。

 対談での「ヌーベルバーグとモダン・ジャズ」の箇所で、MJQのジョン・ルイスについて語っている。
 その箇所を一部引用すると、


 蓮實 MJQですね。ジョン・ルイス
 瀬川 ジョン・ルイスというのは非常にフランスかぶれっていうか・・・・・・。
 大谷 あの人自分のことヨーロッパ人だと思ってますので。
 蓮實 フロックコートが好きだし。
 大谷 奥さんがチェコの人だったりするんですね。とても変わってる、本当にイタリアの貴族だと自分のことを思ってるタイプの人で(笑)。
 蓮實 どっちが偉いんですか、ジョン・ルイスミルト・ジャクソンと。
 大谷 ジョン・ルイスのほうが全然偉いですね。で、とてもMJQは変わったグループですが、日本人だけがあまり気がついてない。みんなでモーニングを着て演奏するっていう時点で、おかしいっていう感じなんですが(笑)。
 瀬川 でもそれがね、ずっと通っちゃったんだから大したものだね、やっぱりね。
 大谷 ええ。マイルス・デイヴィスの雰囲気とちょうど逆というか・・・・・・で、ライヴがとても新鮮だったというのが、やっぱり当時の日本の批評でもたくさん出てきますね。あ、あと『大運河』のころですと、オットー・プレミンジャーの『黄金の腕』なども、ほぼ同じ時期ですね。  508ページ


 MJQのジョン・ルイスといえば、ヘレン・メリルとMJQの来日公演ライブを聴いたことを思い出しました。