柿の木であいと答へる小僧哉

 晴れた青空を背にして、柿が鈴なりである。
 柿日和だ。


 「渋柿と鳥も知て通りけり
 「柿の木であいと答へる小僧哉


 小林一茶の俳句で、文政三年の句です。


 座談や対談本が何故か好きである。
 立東舎の『きっとあなたは、あの本が好き。』は、読書ガイド本で対談本だ。

 《5 コナン・ドイルが気になる人に 小説のなかにあるたくさんの「謎」》の対談者は、都甲幸治・和田忠彦・石井千湖の各氏で、田中小実昌トマス・ピンチョンウンベルト・エーコをめぐる談話が興味深かった。和田忠彦氏がウンベルト・エーコ自身から聞いた『薔薇の名前』を書いた経緯(いきさつ)をめぐる話と都甲幸治氏の見立てるトマス・ピンチョン論がユニークで面白かった。
 和田忠彦氏の談話を読むとウンベルト・エーコの若き日の素顔が見えるような気がする。

きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)

きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)