後藤明生の『この人を見よ』から2

西洋シャクナゲの花が咲いています。薬用で、毒性があるので注意とのこと。

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後藤明生の小説『この人を見よ』は、後半、芥川龍之介宇野浩二の関係や中野重治の年譜をたどりながら話をすすめて中途で終っている。未完の長篇小説です。

巻末に、「付録 イエス=ジャーナリスト論、その他」という後藤明生の文学論が掲載されています。一部引用すると、

 

僕はその「千円札文学論」、つまり「読む」と「書く」の連続をナントカの一つおぼえ式に繰り返し論じているわけですが、もう一つ言いたいのは、ある作家、ある作家のテキストというものは、決して単独では存在していないということです。つまり必ず他の作家、他の作品と連続した形で存在している、他の作品との関係において存在している、ということです。  482ページ

 

 

この人を見よ

この人を見よ