サッシャ・ギトリ監督の映画『とらんぷ譚』

 「ゴーモン 珠玉のフランス映画史 世界最古の映画制作会社の軌跡」

 《1895年の創業から現在まで、120年以上に渡る歴史を誇る世界最古の映画制作会社「Gaumont(ゴーモン)」。1911年には、6000もの観客席を擁した映画館「ゴーモン・パラス」をパリにオープンさせ、映画館の経営にも乗り出しました。名だたる映画監督たちの作品を手掛け、映画史を塗り替えてきたゴーモンの歴史を辿るべく、時代を超える傑作を上映します。日本では上映機会の少ない、時代もジャンルも異なる巨匠たちの傑作セレクションをお届けします。》

 サッシャ・ギトリ監督の映画『とらんぷ譚』(1936年、フランス、81分、白黒)を鑑賞。

ギトリが自身の小説「詐欺師の物語」を脚色・監督・主演したトーキー二作目。盗みがバレて、一夜にして孤児となった少年がモナコのカジノでプロの詐欺師となり、カフェで回想録を執筆する・・・。
「ギトリはエルンスト・ルビッチの“フランス人の兄”だ」――フランソワ・トリュフォー  (上映パンフレットより)

  出演、マルグリット・モレノ、ジャクリーヌ・ドリュバック、ピエール・アシ。

 家族が毒キノコを食べて11人が死んだ中で一人生き残った少年がケチな養父に引き取られ、そこを逃げ出した。レストラン、ホテルと転々としてカジノのプロの詐欺師になった男の半生記。

 活動弁士、落語家のような語り口で物語が展開する。小道具、フィルムの反復、再生、恐怖心、笑いと飽きさせない。今見ても古びていない。