2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『争闘阿修羅街』余聞

3月は音楽の伴奏で無声映画を楽しむ「サウンド・アンド・サイレント」の作品として柳下美恵さんのピアノの伴奏による八代毅監督の『争闘阿修羅街』(1938年)を鑑賞した。 「1970年代アメリカ映画特集」からは、ロバート・アルトマン監督の映画『バ…

たちまちに夜は冴返る國さかひ

桜が見頃を迎えている。 秘苑 「門閉して松風かすむ秘苑かな」 安東にて 「たちまちに夜は冴返る國さかひ」 飯田蛇笏の俳句で、昭和十五年(1940年)の句です。 蛇笏はこの年、朝鮮、満州に出かけた。 「安東にて」の安東は、満州国の朝鮮との国境駅。 …

長谷川四郎の満州行の「謎」

「芸術新潮」2016年4月号が出ていました。 特集「出版戦国時代のモンスター べらんめい国芳」という表紙ですが、特集の方ではなく、堀江敏幸の連載「定型外郵便」に目が行きました。 というのは、長谷川四郎の満州行の「謎」をめぐって堀江さんが書いて…

柳萌え温室の花より淡かりき

公園の岸辺に枝垂れ柳の花が咲き乱れていた。 春風は垂れ下がった枝の花をゆらゆらと揺らす。 ヤナギ科の落葉高木。枝は垂れ下がり、細長い葉をつける。雌雄異株。早春、黄緑色の花を穂状につける。日本には古代に中国から渡来。垂楊(すいよう)。糸柳。し…

鵲(かち)の巣に白嶽の嶮かすむなし

ハクモクレンの花が満開になっている。 快晴で乾燥した風が吹いた。最高気温17℃、最低気温5℃。 濃い青空に白い花弁が春風にゆれる。湿度が低いので肌寒い。 「春北風白嶽(はくがく)の陽を吹きゆがむ」 「鵲(かち)の巣に白嶽の嶮かすむなし」 飯田蛇笏…

はこべらや川岸の名の澱町

晴れて街路樹のツバキが満開になっている。最高気温21℃、最低気温12℃。 空気は乾燥している。 20日は、春分である。桜のつぼみがふくらみ開花は近いようだ。 「みちのくの子の寒がりよ春時雨」 「春雨のポストの色褪せて」 「はこべらや川岸の名の澱町…

『独学の冒険』のこと

礫川全次著『独学の冒険』を書店の平台に見かけた。手にとってみる。 副題が「浪費する情報から知の発見へ」。 柳田國男、佐藤忠男について語られている箇所など興味深かった。 参照:「独学の冒険」http://www.hihyosya.co.jp/ISBN978-4-8265-0631-1.html …

『動物オリンピック』と『キートンの文化生活一週間』

「伴奏ワークショップ〜無声映画伴奏者にチャレンジ!」 サイレント映画:1895年にフランスのリュミエール兄弟がパリで一般興行したことが映画の誕生と言われ、今年121年を迎える。初期の約40年間は今ではサイレント映画と言われ、映像のみで音声は…

掘割に思ひ思ひに春の水

5日は二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)で、晴れる。最高気温20℃、最低気温8℃。 6日、春雨で同じように気温が高かった。 渡り鳥のキンクロハジロ(金黒羽白)が掘割に群れていた。 「掘割に思ひ思ひに春の水」 「春水や乱るる葦にわかちなく」 「春火…

八代毅監督の映画『争闘阿修羅街』

「サウンド・アンド・サイレント」 およそ100年前の映画館には楽士がいて、映画にあわせて伴奏していました。小さい映画館ではピアニスト、大きなホールではオーケストラの伴奏付きで映画は上映されていました。映画館では映画と音楽の2つの楽しみを味わ…

映画『赤胴鈴之助 三つ目の鳥人』

今月(3月)は、「特集・マンガから生まれた映画たち」を映像文化ライブラリーで開催している。 かつては、映画の原作といえば小説が主でしたが、最近はマンガをもとにした映画が増えています。3月は、マンガと映画の関係に焦点をあわせ、マンガから生まれ…