多田道太郎の方法、『からだの日本文化』

 午後、雷鳴とにわか雨あり。むし暑い。南よりの風。
 多田道太郎の『からだの日本文化』、2002年刊(潮出版社)の「あとがきにかえて」を読む。タイトルは「日本文化について」となっている。ここには、多田道太郎の方法が語られている。

 私のとるべき一つの方法は日本文化というものを外から眺める、外面から眺めるということがいいやりかたではないかと考えています。いきなり心のなかに入って内面性ということをやりますと、生まれたときから持っている偏見、価値判断といったものを強くいうことにしかすぎない。新しい認識というものは出来にくい。だから、なるべく外から見て、普段見逃しているようなつまらないことに気をつけよう、これだけの素朴な方法であります。   225〜226頁