オニヤンマと稲垣足穂の『弥勒』

糸トンボ

 快晴。日中は暑かった。朝も気温が高かった。
 公園の池へ寄り道してみた。陽射しが強い。コンクリートの縁に蓮の葉で陰になった部分に小さな蛙がいた。陽射しを避けているようだ。池の縁のコンクリートのそばの土に、蟹の巣穴があった。水辺から20センチほど離れた所に穴の入り口はあった。蟹が2匹その入り口にいた。よく観るとその穴の近くの土の上に、あちこち小さな蟹がいた。足を近づけると、蟹はすばやく池を取り囲む背の低い生垣に隠れる。
 池のまわりをゆっくり歩き回っていると、突然大きなトンボが飛び込んで来た。池の水面高く水平飛行。またたく間に来た道をたどるように飛び去っていった。オニヤンマだ。大きなトンボだなあ。おどろいた。
 水面に目をやると、睡蓮の葉に糸トンボが止まろうとしている。羽を背中に閉じてくっ付けた状態で止まった。羽を開いたままでは葉に止まらない。尾の先が青い色をしていた。
 水面をヒブナ(?)が泳いでいる。この池で初めて見た。よく見ると何匹もいた。大きさは8センチくらいか。メダカの群れをかき分けて泳いでいる。
 睡蓮のつぼみが水面に出ていて、花が開きかけていた。
 
 「ユリイカ」2005年8月号は、「特集・雑誌の黄金時代」。
 四方田犬彦坪内祐三の対談「雑文家渡世」で、取り上げられている安原顯について書いておこう、と思ったが後にしよう。
 稲垣足穂の『弥勒 稲垣足穂コレクション8』(筑摩書房)が、文庫版で完結した。
 解説は高橋睦郎。高橋さんの解説では、足穂の明石時代にふれているところがさすがだなあ。私も明石で過ごしたころの足穂には惹かれるものがある。
 稲垣足穂については、MAC時代の松岡正剛さんについてで、後で書いてみよう。