「こどもとネオテニー」

イチョウの落葉

 公園や街路樹の紅葉がすすんでいる。イチョウの落葉が敷きつめられて黄色い絨毯(じゅうたん)のようだ。正午過ぎに川を渡っていたら、アオサギを見た。川の中に立っている海苔のひびの竹にちょこんと留まっていた。背中を太陽に向けてひなたぼっこしているようだ。
 夕暮れ時に川を渡っていたら、暗くなっている川の水面をすれすれの高さで飛んでいる鳥を見つけた。暗くてはっきり見分けられないが、大きさとつばさの動きからアオサギだと思った。飛行コースは川の真ん中を川下から川上へ向かって、超低空で飛んで行って闇に消えた。
 集英社のPR誌である『青春と読書』12月号で、茂木健一郎の連載「欲望する脳」の第八回「子供であることの福音」を読む。「二〇〇四年にオープンした金沢21世紀美術館は、子供たちに大人気だという。一方、大人たちの間にはとまどいがあるらしい。」ということを述べながら、先日金沢を訪れた時にタクシーの運転手との間でその美術館の話題になったエピソードから話をすすめる。

 現代の時代精神に向き合う時、鍵になる概念の一つは、「子供」である。  25〜26頁

 うーむ。これを読んでいるとアシュレイ・モンターギュ*1の『ネオテニー』(どうぶつ社)尾本恵一・越智典子訳という本を思い出した。この本は、「こどもとネオテニー」をめぐって興味深い考察と考えるためのヒントが満載だ。同じアシュレイ・モンターギュには『暴力の起源』(どうぶつ社)もある。
 
 

*1:英国生まれのアメリカ人で、解剖学者・人類学者。