長新太とスティーヴンソンの話

水辺のカラス

 『飛ぶ教室』(光村図書)2006年秋号は、「ほぼまるごと一冊長新太」特集号で、昨年亡くなられた長新太さんをめぐっての対談やエッセイを読んだ。
 「長い新しい太い線は終わることがない」という荒井良二いしいしんじの対談。それと、長新太との長い付き合いを語っている今江祥智のエッセイも興味深かった。他の執筆者の書いている長さんとのエピソードなども面白い。
 今、手元にある『絵本の時間絵本の部屋』(すばる書房)という今江さんの本に、「からくりからくり、ばったん・・・=長新太ノート」という文があるので、後で読んでみよう。
 今夜のラジオ深夜便は、迎康子アナウンサーの担当日である。「ないとエッセー」は、イラストレーター・作家のよしだみどりさんの「私が見つけた宝島の物語」というタイトルで、『宝島」や『ジキル博士とハイド氏』でお馴染みのロバート・ルイス・スティーヴンソンの話だった。スティーヴンソンの生涯での出会いや旅や病気といったことが話されていた。中でも、本国のエディンバラで、日本からの留学生から聞いた吉田寅二郎(吉田松陰)の生涯に強い関心を持ったスティーヴンソンのエピソードに注目した。
 よしだみどりさんの話を聴いていると、二十代の旅行記『旅は驢馬を連れて』や『内地の船旅』、いずれも吉田健一の訳である岩波文庫を読んでみたくなった。