ごみ焼却場を歩く

ごみ焼却場

 晴れているが気温が低い。北からの強い風が吹く。
 午後、三年前にできたごみ焼却場を訪れた。まだ風邪が治りきっていないので、やや体力不足。案内板の説明を読んで、入り口への階段を上る。ふーっ。エレベーターもあるが、歩いて上ることにする。上ると、北からの風がもっと吹きつけて来る。寒い。先に入って行った一人の男がいたが、もう見えなくなっていた。焼却場の中を見れる一本の通路が通っていて、そこを歩いて行く。ガラス張りの通路で床は木の板張りである。通路は二百メートルくらいの直線で、右と左にガラスに囲まれた焼却装置がある。
 焼却装置は稼動している。この質感や機能美に目を見張る。
 ごみ焼却場というより、クリーンなまるで美術館のようだ。
 焼却場の仕組みを説明するタッチパネルが、あちこちにある。指でタッチして説明を見る。人っ子ひとり見えない通路をたどって南側の果てまで行くと、テラスがあった。木のベンチが置いてある。そこに座って建物を眺める。うーむ。また訪れよう。
 内山節の『自由論』を読み始める。『信濃毎日新聞』に一九九五年一月から九六年十二月まで連載されたものが収められている。もう一冊、『森にかよう道』も併読しよう。
自由論―自然と人間のゆらぎの中で