映画『天然コケッコー』とアオハナムグリ

アオハナムグリ

 早朝、ゴーヤの実を見ている時に、ハナムグリを捕まえた。親指と人差し指で摘んでいると、力強く手足を動かして逃れようとする。
 なかなか力の強い昆虫だ。摘んでいると、もぞもぞと暴れる。
 そっと、鳴門金時のサツマイモの葉の上に置いてやると、じきに飛び去って行ったのだった。
 後で調べると、ハナムグリの仲間で、アオハナムグリのようだ。

?ハナムグリ科の昆虫。体長一六ミリくらい。背面は緑色で光沢はなく、白点が散在し、腹面は光沢のある銅色。バラの花などに集まる。幼虫は土中にすみ、腐植土を食べる。?甲虫目ハナムグリ科および近縁の昆虫の総称。体に微細な毛を密生。花粉や蜜を餌とする。  『大辞泉

 
 山下敦弘監督の映画『天然コケッコー』をサロンシネマ2で、最終上映時間の回に観に行った。観客は少なく七名。花粉や蜜を餌とするハナムグリではないので、オハギとタラコむすびで腹ごしらえする。前列の女のひとは、メロンパンで腹ごしらえしていた。
 山陰の瓦屋根の美しさ、夏、秋、冬、春と季節の移ろい。海での水遊び、秋の祭での石見神楽の見物。東京への修学旅行。主人公そよ(夏帆)と転校生大沢君の中学二年から三年へかけての二年間を、慈しむかのように丁寧に描写した映像とエピソードで見せてくれた。記憶に残る映画になりそうだ。
 ポスターの掲示されている映画館の入口に、脚本の渡辺あやさんのサイン入り色紙が展示されていた。
 八月十八日の上映初日に、渡辺あやさんの舞台挨拶があったらしい。
 『天然コケッコー』上映前に、荻上直子の新作映画『めがね』の予告編があって、フィンランドを舞台にした映画『かもめ食堂』に出演した小林聡美もたいまさこが、再び出演しているのだった。上映は九月二十二日から、となっている。
 サロンシネマで『エンドマーク』の八月号をもらう。それによると、原作・脚本が新藤兼人による映画『陸に上った軍艦』の上映が九月一日から。
 映画館から出ると、満月で皆既月食が終わりかけていた。