野路の梅白くも赤くもあらぬ哉

白梅

 白梅の木に花が開き始めている。蕪村の句に、「野路の梅白くも赤くもあらぬ哉(かな)」。明和六年一月十日の句である。 

 『貸本マンガ史研究』19号がクロネコメール便で送られて来た。期待していた長谷邦夫氏へのインタビューがなくて、編集後記に《しかし、インタビューの掲載も含め、近いうちにぜひ「曙出版特集」をやるつもりだ。》とある。この編集後記は三宅秀典さんかな。
 夕方、久しぶりにK古書店に寄り、四冊買った。
 『集英社新日本文学全集第十二巻 きだ・みのる 深沢七郎集』1963年(集英社
 埴谷雄高ドストエフスキイ』1978年第30刷(日本放送出版協会
 安岡章太郎『犬をえらばば』1969年2刷(新潮社)
 加藤秀俊『生活リズムの文化史』1982年(講談社現代新書
 《生活リズムの意味とスタイルの変化を、比較文化の視点で探った興味あふれる書。》
 上記の本にきだみのる年譜があり、きだの自筆である。深沢七郎年譜も同じように深沢七郎の自筆であった。
 『犬をえらばば』の装幀・カットは横山泰三。「犬は飼い主に似るか?」と「佃煮とシチューと飼犬と」に坂口安吾と三千代夫人についての話があり、ぐいぐい読まされた。