さくら散て刺(ハリ)ある草の見ゆるかな

スイレン

 四月二十日は、二十四節気のひとつ穀雨である。穀物をうるおす春雨という意味があるようだ。
 晴れて風も強いし、汗ばむほどの日であった。
 蕪村の句に、「さくら散て刺(ハリ)ある草の見ゆるかな」。安永三年の句である。
 夕方、K古書店の店頭本をチェックして、久しぶりに公園の池に寄り道する。池を眺めている人から道を尋ねられる。「バスセンターはどちらですか?」
 池は静かでハスは見られなかった。睡蓮の葉が浮いて、水中をメダカがキビキビと動いていた。
 書店で『新刊展望』5月号を入手。
 ブックオフで、嵐山光三郎『チューサン階級の冒険』1977年(白川書院)と橋本治中野翠『ふたりの平成』1991年(主婦の友社)を買う。各105円。後者は、ダブり。
 『チューサン階級の冒険』は、装丁、安西水丸。「人生の真実」というコラムは「メンズクラブ」という雑誌に六年間にわたって連載したものであるが、なかなか面白い。
 『文學界』2008年5月号で、車谷長吉の「四国八十八ヶ所感情巡礼」連載第一回を読む。
 今日も田んぼでウンコをした。とか、山のなかでウンコをした。と巡礼中のウンコをした場所が書かれているのが印象的だ。
 特に、「今日も」という言葉だが、「も」というのがなぜか変な気がした。普通、「今日は」と書くんだが・・・。短期集中連載らしい。予想すれば、ウンコが印象的な巡礼記になるような気がする。
 夜半に月が南中していた。満月で、高度は四十五度ほどだった。