落葉して遠く成りけり臼(うす)の音

イチジク

 イチジク畑にイチジクが枝に残っている。葉は黄色くなって・・・。
 蕪村の句に、「落葉して遠く成りけり臼(うす)の音」。明和六年十月五日の句である。

 クワ科の落葉小高木。卵形の実とされるものは、中にうす紅色の多数の小花が集まったもの。食用。  『角川必携国語辞典』

 夕方、東北東に月が昇っていた。高度が45度くらいである。
 橋を渡っていると川面(かわも)に月の姿が映っていた。
 夜半に月明かりが明るいので外へ出てみた。すると、南南東の空にオリオン座が眺められた。南西に高く光っているのは、十三夜の月であった。とても美しい。
 『風神帖』につづいて刊行された池澤夏樹の『雷神帖』(みすず書房)を読みはじめる。エッセイ集成2である。
 風神、雷神、その名を借りてエッセイ集のタイトルにした著者が、あとがきでその由来を書いている。アメリカ・インデアンの詩を引用して。
 それによると、「雷神は風に飛ばされている。どうも風神の方が力があるらしい。」
 その哀れな「雷神」の本から「サン=テグジュペリ像の変化」、「映画と本と田舎暮らし」、「書評家の喜びと悩み」などを読んだ。
雷神帖―エッセー集成2 (エッセー集成 2)