新春「新・話の泉」を聴く

 夕方、東の空高く月が昇っている。午後八時ごろに南中する。
 ほぼ天頂付近だ。金星は年末から正月にかけては夕方、南西に高度40度ほどで明るい。
 蕪村の句に、「寒月や門なき寺の天高し」。
 
 夜、NHKラジオの番組「新・話の泉」を途中から聴く。
 「・・・遺産残してないですよ。」
 「金田一京助さんは石川啄木がみんなお金をたかっちゃったんだからね。」と嵐山さんが語っているところだった。
 「うーん。まあ、そうですね。」という声がする。
 ゲストの金田一秀穂さんの声だった。
 今夜の出演は立川談志山藤章二嵐山光三郎毒蝮三太夫松尾貴史に日本語学者の金田一秀穂(ひでほ)氏で、司会は渡邊あゆみアナウンサーである。林家三平林家正蔵の芸風にもふれる。
 もう四十数年まえになりますが、お祖父さんの京助さんの講義を聴きましたよ。と嵐山さんが語り、金田一秀穂さんと二世問題について面白いエピソードが展開された。二代目、三代目についても話題になる。
 以上は「悲憤慷慨世の中審議会」で「世襲の是非を考える」という談話だった。
 
 次に「尺貫法を思いだそう」と題して、五尺三寸、四十貫といった相撲取りを表現する言葉がありましたが、尺貫法が昭和26年からの計量法によって、メートル法になりました。
 そこで、皆さんに尺貫法の言葉を挙げてもらいましょう。
 回答者が尺貫法の言葉を挙げる。

 六尺ふんどし、裸一貫、六尺棒、五寸釘、一文なし、花一匁(いちもんめ)、一寸先は闇。
 松尾「三尺下がって師の影を踏まず。」
 渡邊「どうですか金田一さん、そんな学生はいますか?」
 金田一「いません。」ここで笑い声が上がる。
 尺取虫、立って半畳寝て一畳、正月は冥土の旅の一里塚、九十九里浜、一寸(ちょっと)、パンは一斤(きん)、百匁(もんめ)、口先三寸。
 尺貫法を使った表現をめぐって楽しい談話がつづく。
 皆さんに尺貫法を使った表現法について語っていただきました。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 今月の落語検定の問題は五問である。上の句を読むから下の句を答えてください。
 第一問「春は浮気、夏は陽気、秋はふさぎ」
 第二問「草の名も所によって変わるなり」
 第三問「ひもじさと寒さと恋とくらぶれば」
 第四問「片仮名のトの字に一の引きようで」
 第五問「大きな時計に小さな時計」
 最後に家元の立川談志のジョークがあって番組は終わった。
 また来週もお聴きください。